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矯正後の歯並びを守る!リテーナーの使い方と注意点
ポーラスター矯正歯科・センター北、日本歯科専門医機構認定 矯正歯科専門歯科医の神崎です。
矯正治療を終えた患者さんにとって、”リテーナー”という言葉は聞き馴染みのあるものかもしれません。しかし、その意義や使い方について十分に理解されている方は意外と少ないように感じます。リテーナーの重要性、使用期間、種類、そして日々のケアについて詳しくご紹介します。
リテーナーの意義
リテーナーは、矯正治療によって整えた歯並びを維持するための装置です。矯正治療が終了した後も、歯や歯茎、骨はまだ安定していない状態です。そのため、矯正の力が掛からなくなると歯が元の位置に戻ろうとする性質があります。この現象を”後戻り”と呼びますが、リテーナーはこの後戻りを防ぎ、整えた歯並びを長期間維持する役割を果たします。
リテーナーの使用期間
リテーナーの使用期間は患者さんの状態や治療方針によって異なりますが、多くの場合、少なくとも2年間は装着が必要です。さらに、理想的にはその後も夜間のみの装着を継続することが推奨される場合があります。この期間は、患者さんの協力が治療結果を長持ちさせる鍵となります。
定期検診で診ているポイント
リテーナー使用中は、定期的に歯科医院での検診を受けることが重要です。検診では以下のようなポイントを確認します:
- 歯並びの維持状況:後戻りが起きていないかを確認します。
- リテーナーの適合状態:リテーナーが正しく機能しているか、調整が必要かどうかを確認します。
- リテーナーの破損状態:リテーナーが欠けたり破損していないか、ひびなどがないかを確認します。
- 口腔内の健康状態:歯や歯茎に問題がないか、歯垢(プラーク)や歯石の有無を確認します。
リテーナーの種類
リテーナーには主に固定式と取り外し式の2種類があります。また、必要に応じて固定式と取り外し式を併用する場合もあります。
- 固定式リテーナー
- 歯の裏側に細いワイヤーを接着して固定するタイプです。
- メリット:取り外しの手間がなく、装着忘れがありません。
- デメリット:装置周辺の清掃が難しく、衛生管理が重要です。外れてしまった場合は、矯正歯科医の診察が必要になります。一部が欠けたり外れてしまった場合は、食事や発音時に違和感や痛みを感じる事があります。
- 取り外し式リテーナー
- 着脱可能な透明なプレートタイプや針金とプラスティックレジンで作成されたものが一般的です。
- メリット:歯磨きがしやすく、衛生的に保ちやすいです。
- デメリット:装着を忘れたり、紛失するリスクがあります。着脱により装置が破損する可能性があります。
- お手入れ方法:流水下で柔らかい歯ブラシを使って丁寧に擦り洗いすることをおすすめします。また、専用の洗浄剤を使用して定期的に清潔を保つことも重要です。外した際には紛失を防ぐため、必ず専用のケースに入れるようにしましょう。
固定式リテーナーの衛生管理
固定式リテーナーは便利ですが、歯の裏側に接着されるため、歯磨きが不十分だと汚れが溜まりやすくなります。その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。歯ブラシやデンタルフロス、1本歯ブラシ(ワンタフトブラシ)を使ってリテーナー周辺を丁寧に清掃することが大切です。
リテーナー代について
リテーナーの費用が矯正治療費に含まれているかどうかは、クリニックによって異なります。治療を開始する前に、リテーナー代が治療費に含まれているか、別途リテーナーの費用が必要かを確認しておくことをお勧めします。
まとめ
矯正治療後のリテーナーは、理想的な歯並びを維持するために欠かせない重要な装置です。その効果を最大限に活かすためには、患者さん自身の協力が必要不可欠です。使用方法やケア方法をしっかり守り、定期検診を怠らないことで、矯正治療の成果を長く維持し続けることができます。ご不明な点があれば、ぜひ担当の矯正歯科医師にご相談することをお勧めします。
監修者
院長 | 神崎 寛人 |
---|---|
経歴 | 東京歯科大学卒業 歯科医師国家資格取得
東京歯科大学矯正学講座 日本矯正歯科学会認定医 取得 こうざき歯列矯正クリニック開業 医療法人社団OMS 理事長就任 日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医) 取得 ポーラスター矯正歯科・センター北 名称変更 日本歯科専門医機構認定矯正歯科専門医 |
資格 | 歯科医師 |
所属歯科学会 | 日本矯正歯科学会 |
主なリスクと副作用
痛み・治療後の後戻り・歯根吸収・歯髄壊死・歯肉退縮
その他のリスク・副作用等
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
【矯正治療により生じるリスクや副作用について】
1.矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2週間で慣れてきます。
2.歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
3.矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者の協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に大きく影響します。
4.治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、更に一般歯科医による定期的な診察が大切です。また、歯が動くと隠れていた虫歯があることが判明することもあります。
5.歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
6.極まれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
7.極まれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
8.矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
9.治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
10.治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
11.歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
12.矯正歯科装置を誤って飲み込む可能性があります。
13.矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
14.動的治療が終了し矯正装置が外れた後に、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
15.動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置(リテーナー)を指示通り使用し、歯の位置の変化を抑制しないと、歯並びや咬み合せの「後戻り」や「新たな変化」が生じます。
16.アゴの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
17.治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
18.矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことはできません。
19.治療の効果が予測と一致しているか確認するため、定期的に診察や検査を行う必要があり、合併症・副作用が発生した場合は、治療方法や使用する矯正装置を変更する場合があります。
【矯正治療と併用する治療方法に関して】
1.不正咬合の改善や将来的に起こりうる口腔内の変化を減少させる等の理由で、歯の抜歯や粘膜、骨格に対する口腔外科手術が必要となる場合があります。
2.矯正治療の過程において、歯の移動効果の容易化や歯の連続性の維持、その他の治療効果の発揮のため、一定期間に全部又は一部の歯に矯正治療用アタッチメントを接着する必要がある場合があります。
3.矯正治療の過程において、歯の移動のための空隙創出のため、歯の抜歯や切削が必要となる場合があります。
4.矯正治療において、歯の形態修正が必要となる場合があります。
5.歯の移動により咬合の変化が生じ、顎の関節に対する保護や治療が必要となる場合があります。
6.治療計画の変更や中断を抑制するために、矯正治療前にう蝕や歯周病に対する治療が必要となる場合があります。
7.上記により、治療計画の延期や休止、中断が必要となる場合があります。
【矯正装置の装着により生じる一般的な副効果に関して】
1.矯正装置の装着後及び着脱動作中、歯肉、舌、頬及び唇に、擦り傷又は痛みが生じる可能性があります。
2.矯正治療開始直後及び途中に歯の痛みを経験します。
3.矯正装置の装着により、患者の発語および発音に影響を与える可能性があります。
4.矯正装置の使用により、一時的に唾液分泌の増加若しくは口の渇きを経験する可能性があります。
5.治療中に噛み合わせが変化し、患者によっては一時的な不快感を感じる可能性があります。
6.矯正装置の使用により、頭部や首の関節及び筋肉、耳それぞれにおいて障害(運動、感覚、疼痛)が生じる可能性があります。
7.治療中、歯根長の短縮が生じる可能性があります。
8.治療中、歯の変色及び着色が生じる可能性があります。
9.装着する矯正装置等を、患者が誤飲又は吸引してしまう可能性があります。
10.矯正装置の装着が、歯、歯槽骨又は歯肉及び歯髄の健康状態に影響を与える可能性があります。
11.矯正装置を除去後、想定外の位置に歯が移動する可能性があります。
12.矯正装置により自浄性が損なわれるため、虫歯や歯周病予防を患者自身が積極的に行う必要があります。
13.矯正装置が破損する確率を下げるため、食事の内容に制限があります。
14.無意識での歯ぎしりやスポーツ等での食いしばりがある場合、矯正装置が破損する可能性が高くなり、矯正装置の破損による痛みや不快感、計画外の治療が必要となる可能性が高まります。
【患者の素因又は治療歴に由来する事柄に関して】
1.特殊な形状の歯が存在する場合、無意識での歯ぎしりやスポーツ等での食いしばりがある場合、治療期間の長期化又は治療結果に悪影響を与える可能性があります。
2.重度の不正咬合および歯列不正がある場合、矯正装置等の破損の可能性が高くなります。
3.複雑な咬合や歯列、およびそれらを含む骨格性の不正咬合の治療は、複数の治療法や矯正装置の付属品を併用する必要があります。
4.重度の歯列不正がある、患者自身での矯正装置の着脱が著しく困難となる場合があります。
5.過去の歯の疾患の治療により治療を受けた歯に関しては、再治療や追加治療、対象部位の周辺を含む範囲への歯科治療が必要となる可能性があります。
6.歯冠が短い場合は、歯の移動に制約が出ることがあり、歯肉への治療により歯を長くする事が必要となる場合があります。
7.矯正治療中に歯肉の位置が変わる事があり、それが事前に予測できない場合があります。
8患者の既存の歯科修復物(補綴物)に対し、交換や形態修正が必要となる可能性があります。
9.使用する矯正装置や器材により、アレルギー症状が生じる場合があります。
10.患者本人の生活習慣や健康状態、医薬品の服用や喫煙や飲酒等の嗜好品が治療効果に影響を与える可能性があります。
11.患者本人の成長や遺伝的傾向により、矯正治療開始前に予測できない変化が治療計画に影響し、計画の変更が必要となる可能性があります。
【矯正治療計画および装置装着・使用方法に関して】
1.患者本人や家族が、治療計画に関して歯科医師およびその他の職員の指示に従わない場合や、矯正装置の使用方法の指示に従わない場合は、治療期間の著しい長期化又は治療結果に悪影響を与え、歯科医師の判断により治療を中止する場合があります。
2.矯正治療において、歯の移動速度および移動範囲に限界があり、事前に予測が困難な場合があります。
3.適正な着脱方法を行わなかった場合、矯正装置が破損変形し再製作が必要となる場合があります。
4.患者本人が、計画的に通院しない場合や計画外の事態が生じた事を連絡しない場合、治療期間の著しい長期化または治療結果に悪影響を与える場合があります。
当院における矯正治療は、検査結果から得られた内容を歯科医学的根拠に基づき立案し、歯の移動計画から適切に選択した矯正装置を用いて行います。使用する矯正装置は、主治医が効果や安全性などについての歯科医学的判断を行い、医院内外で作製された矯正治療器具を治療に使用します。患者本人に使用する機材のほとんどは、日本国内の法律で承認・認証を受けた機材を使用しますが、一部の歯科用機材に関しては海外にて製造および加工されたものも含めて使用し、医薬品副作用被害救済制度の対象にはならず、歯科医師が責任を負い救済を行うものとします。
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